投資に必要な決断は、もちろん自分の考えで行うわけですが、
その自分の考えが偏っていることを理解しておくことが重要です。
ヴァンガードから『投資家バイアスを抑えてリターンを向上させる(Improving investing outcomes by minimizing investor bias )』的な記事が公開されていたのでご紹介。
そのバイアスとは、
- リーセンシーバイアス(Recency bias)
- 損失回避(Loss aversion)
- 第一印象バイアス(First impression bias)
の3つで、これを理解しておくことでリターン向上(リターン低下の防止)につながります。
リーセンシーバイアス
リーセンシーバイアスとは『最近の出来事を重視してしまうバイアス』で、
- 直近1年間の実績リターンが良好であれば、今後の期待リターンが大きくなる
- 直近1年間の実績リターンが不良であれば、今後の期待リターンが小さくなる
ことがバンガードの調査によって判明しています。
しかし、当然ですが、
- 過去のリターンが今後のリターンを決めるわけではない
それどころか、
- 市場の好調が続けば、その先に不調期がくることが往々にしてある
わけなので、リーセンシーバイアスに惑わされないようにしなければなりません。
とくに、ここ数年は好調期が続いており、
「投資なんて楽勝すぎるwww」
と考えてしまいがちですが、そうではないことを自分に言い聞かせる必要があります。
損失回避
続いて、損失回避とは『利益による喜びよりも、損失による苦しみの方を大きく感じてしまうバイアス』のことで、これによって
- 少し評価益がでただけで、この先下げるのを恐れて売ってしまう
- 評価損が出ていると、それを確定させたくなくて売ることができない
といったことが起こります。
実際に、VTIの売却実績を分析したところ、
- 損失が大きければ大きいほど売る確率が低い
ことが判明しています。
これは、投資家にとって厳しい結果を招くことの多いバイアスかもしれませんが、イデックス投資家にとってはメリットのあるバイアスかもしれませんね。
『暴落にビビって売り逃げてしまう』という最悪の行為を避けられるわけですから。
とはいえ、この図からは、
- 評価損が発生したのちに『損益がゼロになったタイミングで安心して売ってしまう』というトラップが存在している
ということも分かりますので、ここには注意する必要がありそうです。(これは多くの人が経験していそうw)
第一印象バイアス
最後が第一印象バイアス。
これは『投資家としての初期の経験が、その後の選択を左右する』バイアスで、
- 不調期に投資を始めた投資家は、その数十年後もリスクを抑えたポートフォリオを構築する傾向にある
と言われています。
つまり、
- ここ数年の好調期に投資を始めた人は、無意識にハイリスクなポートフォリオとなりがち
と言えます。
ここ数年の市場は絶好調であったため、ハイリスクなポートフォリオが正解でしたが、今後もそうであるとは限りません。
こういったバイアスがあることを理解したうえでポートフォリオを組むようにしなければなりませんね。
といった感じで、バンガードの記事から
- リーセンシーバイアス(Recency bias)
- 損失回避(Loss aversion)
- 第一印象バイアス(First impression bias)
を紹介させてもらいました。
自分を客観的に評価することは難しいです。
『自分の考え』に絶対的な自信を持っていたとしても、「自分は偏っている」と言い聞かせながら決断をした方が、良い結果を招くことにつながるのかもしれませんね。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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