楽天から、超低コストの全世界株式投信である『楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド』が誕生しましたね。
新NISAをターゲットに、全世界株式投信、S&P500投信の競争が激化(低信託報酬化)しており、その戦いに参戦するための投信を登場させたのだと思われます。
楽天にはもともと『楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)』という全世界株式投信があったわけですが、
- 『楽天VTの信託報酬下げ』という選択ではなく、あらたに信託報酬の低い全世界株式投信を登場させた
ことになります。
楽天VTと楽天オルカンは、それぞれ
- 楽天VTは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(小型株含む約9000銘柄)をベンチマークとしたETF(VT、VTI、VXUS)を買うだけファンド
- 楽天オルカンは、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(小型株除く約3000銘柄)をベンチマークとしたファミリーファンド方式のファンド
と中身の違うファンドなので『既存ファンド(楽天VT)の信託報酬を下げればいいだけの話ではない』ことは理解できますが、それでも
「楽天は既存ファンドの信託報酬を下げなかった!」
と、ネガティブに受け取る人は多くいることでしょう。
その点で、eMAXIS Slimシリーズは、シリーズの基本理念である『業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける』通りの選択を続けており、信頼感がより高まっているのではないかと思います。
楽天 オールカントリーとemaxis Slimオールカントリーの違い
まず、楽天 オールカントリーとemaxis Slimオールカントリーの違いを表で見てみましょう。
emaxis Slim オールカントリー |
楽天 オールカントリー |
|
投資先 | 大型/中型のみ | 大型/中型/小型 |
---|---|---|
約3000銘柄 | 約3000銘柄 | |
ベンチマーク | MSCI オールカントリーワールド | MSCI オールカントリーワールド |
形態 | 個別に株式購入 | 個別に株式購入 |
信託報酬 | 0.0578% | 0.0561% |
資産(億円) | 17,194億 | 53 |
誕生 | '18/10/31 | '23/10/27 |
特長 | 鉄板商品 | 最低コスト(?) |
両者の違いは大きくなく、
- 楽天オールカントリーのほうが信託報酬が低い
という点が目立ってはいますが、
- 残念ながら信託報酬は表面上のコストでしかなく、実際に投資家にかかってくるコストは運用報告があがってくるまで分からない。
というため、『楽天オールカントリーは低コスト』と評価していいかはまだわかりません。
eMAXIS Slimeが鉄板商品となってきた経緯
なお、eMAXIS Slimシリーズはが誕生した当初は
「既存のeMAXISシリーズ(非slim)の信託報酬を下げずに、新しい商品を出してきたか!」
と批判的な意見もあったくらいですが、その悪評を聞く機会はほとんどなくなり、好評ばかりが聞こえるようになってきました。
今回の『楽天は信託報酬を下げずに新商品を出してきた』という結果からも、「やっぱりeMAXIS Slimシリーズよ!」という考え方が広がりそうな気がしています。
いまのところ楽天・オールカントリーの中身に問題はありません。
定番のオールカントリー商品にひってきする商品だといえるでしょう。
楽天・オールカントリーの評価は難しいが…
しかし、実績がともなっていない現在において、eMAXIS Slimオルカンほどに信頼してお金を託すことは難しいです。
実際にSNS上で楽天・オールカントリーの評判を調べると、ネガティブな意見(ポジティブではない意見)が多く、長く投資をしている人ほど「楽天・オールカントリーは様子見」と考えているようです。
というのも、
- 新しい投信が、人気がでないまま消滅してしまった
という経験を何度もしているからです。
というわけで、私も現時点では『楽天・オールカントリーは様子見』と考えています。
いずれにせよ、各社が競争しあうことで、すばらしい商品が選べる、すばらしい時代としてくれたことに感謝です。
これによって既存投資家の資産が大きく増えるようなことはありませんが、新たに投資を始める人が生まれるきっかけとなってくれることに期待しています。
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