下のグラフは、直近1年間のVT(Vanguard Total World Stock:全世界株式)の推移です。
見事な右肩下がりで、
「暴落しそう!」
「早く逃げ出さねば!」
と言いたくなるかもしれません。
また、ボケーっとグラフを見ていた人であっても、SNS上の大多数の意見が、
「これから絶対に暴落する!!」
「株は全部売りました!」
「もう耐えられない…」
と、ネガティブな意見ばかりになっているのを目の当たりにすると、
「え…、大丈夫なんだろうか…」
と不安になるかもしれません。
…なんて書きましたが、このブログの読者は
「『直近1年間』という超短期のチャートには騙されんよwww」
という人が大多数でしょう。
というわけで、直近5年間のグラフを見てみましょう。
チャートをなんとなーく眺めると「横ばい」に見えてしまいますが(見えますよね?)、5年前と比べて16.6%上昇(71.34$→83.17$)しています。
直近1年間と違って、多少あがっていますが、
「5年も投資したのに、あんまり増えていない。」
「年間5%くらいのリターンが期待できるのんじゃないのか…」
「これなら4%近い利回りが期待できる債券にでも投資した方が…」
なんて意見が出てきてもおかしないチャートとなっています。
積立NISAが開始となったのがおよそ5年前(2018年1月)なので、これをきっかけとして投資を始めた人は、
「なんだかイマイチだなぁ…」
と思っているかもしれません。
というわけで、VTの全期間(2008年~)のチャートを見てみましょう。
1年間、5年間のチャートとはイメージが全然違い、
「右肩上がりトレンドの真っただ中にありるね~」
という感想を持つ方が多いのではないでしょか。
参考までに、始点と終点に線を引いてみます。
このチャートからは、
- 2008年~リーマンショックで下にブレた
- 2020年~新型コロナパンデミックで上にブレた
を除くと、だいたい直線に接したまま推移していることが分かります。
また、この間は
- 基準価格が、平均すると年間約4%上昇していた
わけで、それとは別に配当金(年2%前後)があったことから、投資家に十分なリターンをもたらしていたことが分かります。
この2008年~の推移を見れば
「ここ数年が異常に上がっていただけで、いったん下がったこれからは『普通のリターン』が期待できそうだ」
なんて考えも浮かんできます。
投資においては『数値』が絶対の価値基準となります。
しかし、その『数値』も、見る期間によってまったく印象の違うものとなります。
そして、残念ながらそれを巧みに操り、あえて誤解を招こうとする行為をしている人たちが、素人(Youtuberなど)・プロ(証券会社など)に関わらず多く存在してます。
※こちらはひどいプロの例
われわれ個人投資家は、そういった詐欺的な行為に騙されないよう、注意する必要がありそうです。
それができなければ、間違いなくただのカモとなってしまうでしょう。
『将来の株価を読むスキル』を身に付けることでリターンを大きくすることは容易ではありませんが、『データの読み方』を鍛えることはリターンを大きくすることに直結すると私は考えています。
そこら返にころがっている『詐欺的なデータ』に騙されないように、ご注意ください。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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