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世界の人口が減少するようになっても投資を続けるよ

「世界経済が成長しなくなったら、全世界株式インデックスへの投資を止めるべきですか?」

 

といった問いがあったので、自分なりに考えてみました。

 

結論は、

  • 世界経済が成長しなくても、全世界株式を買い続ける

です。

 

なぜならば、

  • 経済の成長に賭けているわけではなく、各企業の『利益を生み出そうとする行為』に賭けて投資をしているから

です。

 

まず、この「世界経済が成長しなくなったら~」のくだりは、恐らく「人口が減少しだしたら~」からきていると想像して考えていきます。

 

その点に関しては、つい最近国連が、2022年7月11日の『世界人口デー』合わせて『世界人口の推移予想』を発表してくれているので、そのグラフを見てみましょう。

出典: JIRCAS

 

これによると、

  • 世界人口は2080年に104億人のピークに達し、2100年ごろまでは横ばいで推移する

と予想されています。

 

とはいえ、あくまでも『国連』というイチ機関の予想なわけですし、なかには『2050年が人口のピーク』という予想を出している機関・専門家もあります。

 

名門調査会社イプソスのCEOダリル・ブリッカ―らが書いた著書2050年 世界人口大減少』では、

  • 国連の予想は『新興国の出生率低下ペースの予想』に問題があり、現実はもっと速いペースで出生率が低下する

と報告しています。

 

※詳しくはこちら。


どちらが、正しい予想なのかは分かりませんし、しょせん予想であることから『両方とも外れる』なんてこともあり得ます。

 

しかし、『全世界の出生率が低下傾向にある』ということは事実なので、『いずれ人口が減少する時代がくる可能性が高い』とは言えるでしょう。

 

そうなると、

  • 『人口が減少傾向になる』=『経済が成長しなくなる』=『株式投資で儲からなくなる』

という考えが出てきてもおかしくありません。

 

『人口減少』は株価を決める要因の一つでしかない

しかし、私は

  • 『人口が減少傾向になる』や『経済が成長しなくなる』と、『株式投資で儲からなくなる』はイコールではない

と考えています。

 

もちろん、経済が成長していれば、企業の利益が大きくなり、株式のリターンも大きくなることが期待できますが、経済が成長しなくても株式リターンはあると思うのです。

 

『株式リターン』にも

  • キャピタルゲイン:株価の上昇によるリターン
  • インカムゲイン:配当によるリターン

の2つがあります。

 

まず、キャピタルゲインの源泉である『株価』に関しては、「経済の成長が止まる!」となれば爆下がりすることは確実でしょう。

むしろ、「成長はするんだけども、成長率が思ったより悪いかも!」というだけでも株価は下がります。

 

んで、『株価』は『数年、数十年先の将来も織り込んだ価格』となっているので、例えば国連が、

「ずっと人口は増えると思ってたけど、10年後には減りだすわw」

「ごめん、ちゃんと計算しとらんかったわw」

と発表すれば、まちがいなく暴落することでしょう。

 

しかし、『世界人口の推移予想』は、そんなコロコロと変わる性質のモノではないので、『株価』は『数十年先の人口減少』をジワジワと織り込んでいくことになるでしょう。

 

つまり、

  • 『人口減少期』が近づくにつれて、『株価を下げる力』が少しずつ強く働くようになってくる

と考えられます。

 

と、これだけ見ると、

「やっぱり経済が成長しなくなったら株で儲けらなくなるなるじゃん!」

となってしまいますが、私はそうは思いません。

 

株価は、『これから成長していくか?』だけでなく、『利益を生み出しているか?』にも影響されるためです。

 

『儲かる株価』に落ちつく

極端な話、人口減少の時代に、

  • 10人毎年100万円に利益を出し、すべてを投資家に還元している企業
  • 毎年社員が一人ずつ減少、利益は10万円ずつ減少する
  • つまり、9年後には『1人の社員で10万円の利益を出す企業』になり、10年後には消滅する
  • つまり、消滅するまでの総利益は550万円

があったとしましょう。

まさに、『人口減少によって成長が止まった企業』ですね。

 

この企業のすべての株が、2000万円(PER20倍)で売られていたとしましょう。

株主に支払われる総リターンは10年で550万円になるので、2000万円では誰も買わないことが予想できます。

 

しかし、400万円で売りに出ていたらどうでしょうか?

『10年かかって550万円のお金を生み出す株式が、400万円で買える』ことになるので、これを買う投資家が出てくるはずですし、

仮に200万円で売りに出ていたら、投資家が群がり、株価が上昇することになるでしょう。

 

つまり、

  • 株価は『儲かる』と期待できる価格に落ち着く

わけです。

 

違う言い方をすると

  • どんな状況であれ、株価は『株を買えば儲かることが期待できる価格』にある

なんて言ってもいいのかもしれません。

 

とはいえ、それ以前に

「人口が減少するようになったら、利益すら出ないでしょ」

なんていうツッコミもあるかもしれませんが、私はそうは思いません。

 

材料に手間を加えたら価格は上がる

というのも、

  • 企業は、利益を出すために『労働』という付加価値を加えたモノを世に送り出しているため

です。

 

ものすごくザックリ言うと、利益とは、

  • 100万円で材料を買ってきて
  • 90万円の経費をかけてモノを作り
  • 200万円で売ると
  • 10万円の利益がでる

という類のものです。

 

これが仮に、『経済が成長しなくなったから、150万円でしかモノが売れなくなった』となったら、40万円の赤字となるわけですが、そんな事業は誰もしません。

あたり前ですが『働ければ働いた分だけ損をするような世界』では、誰も働きません

 

もちろん、『”労働”という付加価値を加えたのにも関わらず赤字をたれながす企業』もあります。

しかし、付加価値を与えられている以上、基本的には価値が上がり、利益が期待できるようになると考えられるでしょう。

 

人口が減ると経済が縮小するの?

それ以前に、世界の人口が減ったところで、お金の総量が減るわけではありません。

 

死んだ人が残したお金が別の人に渡されるだけです。

 

さらにそれ以前に、お金はバーチャルなモノであり、中央銀行がいくらでも生み出すことができる類のものです。

最近では『世界のお金の総量』がGDPとは関係なく増加し続けており、よりバーチャル感が増してきています。

 

出典:世界のカネ1京円、10年で7割増: 日本経済新聞

 

であれば、『世の中に増え続けるお金を奪い合う経済活動』が止まることはなく、それによって生み出される利益が、株主にとっての利益であり続けることに変わりはないでしょう。

 

よって、私は

「世界の人口が減少するようになっても投資を続けるよ」

という結論に至ったわけです。

 

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なんてことを書いてきましたが、いや~、難しい問題ですね!

 

私は、基本的には『効率的市場仮説』を信じているわけですが、とはいえ

  • ○○になれば、株式投資にはどんな影響があるのか?

という問いを、机上で求められるはずがないとも思っています。

 

というのも、株取引をしているのは『合理的経済人』ではなく、『感情に左右されまくってすぐにテンパる人』だからです。

 

よって、『理論上はどうであれ、その時がこないと株価がどうなるかなんて分からない』と考えています。

 

とはいえ、こうやって将来にそなえて自分の考えを整理することで、

  • 不測の事態が起きた時にテンパる確率を下げる
  • ひいては株式リターンを押し上げる

といった効果があると考え、この記事をお届けすることにしました。

 

さて、途中で書いた、

  • どんな状況であれば、株を買えば儲かることが期待できる株価にある

に関してですが、これは『株価が適切な価格であること』が前提となっています。

 

そして、株価が『株価が適切な価格であること』を満たすためには、『アクティブ投資家』の存在が欠かせません。

 

仮に(あり得ませんが)世の中の投資家全てがインデックス投資家であれば、『実体以上に株価が高い企業』があったとしても買われ続け、『株価が適切な価格であること』からどんどん離れていくことになります。

 

よって、

  • 大多数がインデックス投資をするようになったら、株価が上がり続け、『株価は『儲かる』と期待できる価格に落ち着く』という大原則が通用しなくなる

なんてこともあるかもしれません。

 

そうなると、株式投資がポンジスキーム的なモノになり、早く参加した(で、途中で逃げた)人は儲かるけど、後半に参加した人は悲惨な目に合う、なんてことも考えられますね…。

 

目の届く範囲にはインデックス投資が広がり、そうでない世界にはアクティブ投資が広がるといいなぁ…。

 

という自己中な結論に至ったのでありました。

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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