『日本の格差は格差が縮まっている』ということを知っていますか?
それどころか「日本で格差が広がっている」と勘違いしている人が多いような気がしますが、格差をしめす『再分配所得ジニ係数』は2005年ごろをピークに減少しつつあります。
『再分配所得ジニ係数』とは、
- 税制や社会保障の制度によって、高所得者から低所得者にお金を分配したあとの格差をしめす値
で、言い方を変えると
- 『実際に使えるお金の量』の格差
のことで、ゼロが最小(格差がまったくない)で、1.0が最大となります。
その『再分配所得ジニ係数』が減少しているということは
- ここ10年以上は、格差が縮小する傾向にある
というわけです。
よって、この時点で「世の中でよく言われている格差が拡大している」を、うのみにできないことが分かります。
では続いては、『再分配前の所得の格差=当初所得ジニ係数』を見ていきましょう。
こちらは残念ながら、格差が拡大傾向にあります。
つまり、
- 税金を徴収する前の所得(額面の給与所得など)は、格差が広がっている
という状況にあります。
この『再分配所得ジニ係数』と『当初所得ジニ係数』の推移の違いから見えてくるのは、
- 低所得の人と高所得の人の『収入』の差は大きくなりつつある
- しかし、低所得の人と高所得の人が『実際に使えるお金の量』の差は小さくなりつつある
- つまり、ここ10年以上は、高所得の人の負担(税金)を大きくし、低所得の人への援助を拡大している
という状況です。
(厳しい仮定ですが)もし、
- 低賃金の人が低賃金である理由は、ただの努力不足である
と仮定すると、ここ10年以上は
- 低収入の人々は、とくに努力せずとも(収入を上げずとも)、生活が(比較的)豊かになりつつある
とも言えるわけで、「ラッキー」と思っている方もいることでしょう。
反対に、
- どれだけ努力しても、低賃金の人が賃金を上げることは難しい
という状況にあるのであれば、
- 低所得者への分配はうまくいっている
ということでもあります。
とはいえ、この『分配が上手くいっている』のはあくまでも『お金』にフォーカスした話なだけで、『人々の幸福感』がどうなっているかは別の話です。
というのも、
- 給与所得は減っているけど、減税されて、給付金がもらえて、実際の生活は豊かになっている
という状況にあったとき、人は幸せに感じるかどうかに疑問があるからです。
当事者は、どうしても『給与所得が減っている』というところにばかり注目してしまい、「俺はどんどん貧しくなっている!」と「自分は不幸だ」と感じてしまうような気がします。
つまり、
- 『みなの生活を豊かにする』のであれば、再分配することで達成することができる(うまくいきつつある)
- 『みなの幸福感を高める』のであれば、再分配しても達成できない
となるんじゃないかと私は思います。
現代は、
- 安価(どころか無料)でも、永遠に楽しめるコンテンツ
- 生活をラクにするツール
などが、大量に生まれてきており、
- 低収入でも、生活を充実させることが(昔よりも)容易にできるようになった
のは確実です。
しかし、それでも
- 格差が拡大している
- 不幸な人が増えている
といった声が色々なところからあがっている状況から察するに、
- 自分が幸せかどうかを判断するのに、生活の豊かさは基準とならない
ような気がしています。
そこで、
「じゃあどうしたら、幸せを感じられるのだろうか?」
と考えてみると、
「やっぱり、『(分配・援助を除いた)自力で稼いだお金』増えていくことかなぁ…」
と思います。
そうすると、
- 政府は(幸福感に影響のでない)再分配に力を入れるのではなく、全体の底上げをするような政策をとるべし
と言えるのかもしれません。
また、ちょっと目線を変えると
- (実質賃金は上がらないとしても)インフレによって、物価も、賃金もそこそこ増えていく
という状況は、
- 生活が豊かになるわけではないものの、見かけ上の給料は増えていくから幸せに感じる
のではないかと想像できます。
しかし、残念ながら
- 日本のインフレ政策には期待できない
- 日本の景気が上向き、みなの給料が上がることにも期待できない
というのが現状で、さらに
- (転職や昇格によって)自力で給与を上げることが難しい人も多くいる
ことから不満が蔓延しているのかもしれませんね。
というわけで、
「何かに頼ることなく幸福を手に入れるためには、『投資』がもっとも手っ取り早いのかなぁ。」
なんて思ったのでした。
しかし、その投資も増税の対象になりそうという…。
そこで、日本人の幸せを守るべく、このブログを通じて「中間層の希望を奪う増税はすべきでない」と、(小さな)声を上げ続けたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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