更新日:2021/3/22
カリフォルニア州のストックトン市で、社会実験としてベーシックインカムを取り入れたところ
- フルタイム労働者の割合が大幅に増加
という予想外の結果が報告されていたので、ここで紹介したいと思います。
この実験は
- 世帯収入46,033万ドル未満の市民からランダムで125名選出
- 2019年2月から月500ドルを支給(2年が経過)
という内容で行われました。
ちなみにこの実験は、フェイスブックの創業者の一人クリス・ヒューズ氏らの個人の寄付によって行われました。すごい話だw
実験から2年たったところで、
- 借金が減少
- 貯蓄が増加
- 健康状態が向上
といった、想像できる効果は予想どおりあったわけですが、意外にも
- フルタイム労働者の割合が28%→40%に大きく増加
という結果もありました。
ベーシックインカムによって意欲が湧いてきた
これは、
- ベーシックインカムによってチャレンジしやすい環境が整った
ためだと考えられ、
- フルタイム労働をねらう意欲が湧いてきた
とも言えます。
ベーシックインカムの議論では、
「ベーシックインカムを導入すると、働く人が減少するので危険だ」
といった批判がよくありますが、カリフォルニア州での実験では真逆の結果となりました。
今回の実験で、どのような職が増えたかは不明ですが、ベーシックインカムによって生活の基盤が安定することから
- アーティスト
- 起業家
- Youtuber
のような、『収入が不安定な職業』へのチャレンジがしやすくなるとは考えられていますが、フルタイム労働者が『28%→40%に増加』という結果には驚きです。
また、ベーシックインカムの議論には、
「ベーシックインカムは、パチンコや酒、タバコなどに使われるだけだ」
という批判もありますが、この実験結果によるとそうでもなかったようです。
ベーシックインカムの使用用途は?
給付金は
- 37%:食料品
- 22%:その他日用品
- 11%:公共料金
- 10%:自動車関連費用
の順で使用されており、ベーシックインカムが支給されたからといって、不必要な買い物をしたり、酒・タバコといった不健康な用途でも使われていないことが分かりました。
素晴らしいですね。
といった感じで、ストックトン市でのベーシックインカム実験では、いい感じの結果が出ているため、今後さらなる検証が進んでいくことが予想されます。
ベーシックインカムに関して、次に注目する点としては
- ベーシックインカム推進派のアンドリュー・ヤンが立候補した、6月実施予定のNY市長選挙
が挙げられます。
ニューヨークにベーシックインカムが導入されるか?
アンドリュー・ヤンは、アメリカ大統領選挙にベーシックインカムの導入をかかげて立候補(途中で辞退)した実業家で、
6月のNY市長選に向けた世論調査(3月発表)では
- 32%:アンドリュー・ヤン
- 19%:エリック・アダムス
と、大きくリードしています。
アンドリュー・ヤンが当選したとしても、即時ベーシックインカムが実現するとは限りませんが、ベーシックインカム普及に向けた動きが加速していくことは間違いないでしょう。
また、日本の政治家もその影響を受ける可能性は十分に考えられます。
ベーシックインカムは日本に導入されるのか?
今のところ日本政府は
「国民は基本的には自立するべきで、怪我や高齢によるリスクに関してのみ国が保証する考え方をベースとする。」
とし、ベーシックインカムに対しては否定的な意見をのべていますが、ベーシックインカムの有用性(とくにフルタイム労働者増加=税収増加)が広まれば、導入についての議論はさけられなくなります。
ベーシックインカムの実現が、自分達の生活にどのように影響をおよぼすのか想像するのは難しいですが、
- 贅沢できなくてもいいので、楽な仕事をしたい人
- 成功する可能性は低い事業にチャンレンジしたい人
- 働きながらも生活保護以下の生活をしている人
といった人々にとっては救いとなりそうです。
なお、ベーシックインカム導入の話をすると
「ベーシックインカムで配るためのお金が確保できないから無理だろ」
という批判が定番のように上がってきますが、
「生活保護や失業保険といった複雑な支給制度を廃止することで、『全国民に一律な金額をくばる』というシンプルな支給制度を実現できるくらいの予算は確保できる」
と(一部で)言われています。
今後どうなるかは分かりませんが、人々の生活を一変させる可能性のあるベーシックインカムには注目したいと思います。
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