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株主至上主義な会社への『長期投資』について考察【ストックオプション】

最終更新日:2020/12/17

 

アメリカ株ブームによって、

『アメリカ企業は、株主への還元を重視しているので期待リターンが大きい』

という言葉を聞く機会が増えていますが、直観的に「何かおかしいぞ?」と違和感を感じていました。

 

というのも、(短期トレーダーをのぞく)株主が最も期待することは『いかに企業が大きく成長するか』であるため、『”いま”どれだけ株主に還元してくれるか』は重要ではないと感じているためです。

 

というわけで、本記事では『株主至上主義』について考察していきたいと思います。

 

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株主至上主義な会社への『長期投資』について考察

S&P500に採用されている500社は、株主還元に積極的で、『配当』と『自社株買い』を合わせると純利益を上回る、という異常な事態が発生しています。

外部リンク:アメリカで高まる「株主至上主義」の反省機運

 

会社のお金を減らしてまで株主還元をするという行為は、普通に考えると『会社の将来にとって良くない行為』だと感じますが、

(特にアメリカでは)「株主還元をしろ!」という声が大きくなっており、その意にそった行動をしなければ、株主からそっぽを向かれてしまう恐れがあります。

 

よって、無理にでも株主還元をし、株価を維持するようにしているケースがあるわけです。

 

その理由のひとつとして、株主還元によって株価を上昇させることは、経営者にとっても直接的なメリットがある ということが挙げられます。

そして、その直接的なメリットのひとつがストックオプションです。

 

ストックオプションが短期的な株主還元を横行させた

ストックオプションが短期的な株主還元を横行させたストックオプションとは、

  • 決められた株価で株を購入する権利

のことで、例えば『今後5年間は、1株100円で10万株まで買う権利をあげますよ』といった内容になります。

 

こういったストックオプションが、企業の経営者などに渡されていれば、

「この5年間で株価を上げれば上げた分だけ自分がもうかるぞ!」

となってしまい、『6年目以降の会社の成長』を犠牲にしてでも『5年以内に、いかに株価を上げるか』に重点を置いた経営をしてしまいかねません

 

この『短期的に株価を上げる手段』とは、

  • リストラによるコスト削減
  • 事業の売却による利益向上
  • 大量の自社株買い

といった行為が挙げられ、どれも短期的には会社の利益を大きくする、株価を上昇させる効果がありますが、『長期的な企業の成長』に目を向けると、「これでいいのか?」という疑問がわいてきます。

 

アメリカではこのようなケースが多く見られ、世界一の投資家であるウォーレン・バフェットも、ストックオプションには否定的な意見を出しており、バークシャー・ハサウェイ傘下の企業では、(元々制度があった場合をのぞき)ストックオプション制度は採用していません。

 

ちなみにこのような行為は、経営的ピンチに陥った企業に招かれたCEO(ストックオプション持ち)がよく採用する手段です。

 

新しいCEOとしては、「コスト削減によって経営を立ち直らせ、株価を上昇させることに成功すれば、その時点で株を売ってしまえばいい」と考えていてもおかしくありません。

新しいCEOにとって、コスト削減によって優秀な人材や設備を失い、会社を成長させる能力が落ちたところで、一時的に株価が上がりさえすれば問題ないわけです。

 

 

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経営者の行動に注視しよう

もちろん、株主還元を重視する企業が全て上であげたような考えを持っているわけではありませんが、そういった企業があるのも事実です。

 

『株価の推移』と『その原因』をしっかりと確認し、「この企業に将来性はあるのか?」といった目線を持つことが、長期投資には必要と言えそうです。

 

 本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。

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