最終更新日:2020/11/2
含み損をかかえた銘柄を、心配しながら保有し続けていることはないでしょうか?
また、既に興味を失った銘柄なのに、何となく保有し続けていることはないでしょうか?
これらはサンクコスト効果によるもので、これに惑わされていては適切な投資判断ができません。
サンクコストとは埋没費用とも言われ、取り戻すことができない費用(既に払ったお金や、かけた時間)のことを指しています。
投資で言うと、
- 売買時に払った手数料
- 購入に至るまでに調べた労力
- 保有中に払い続けている信託報酬
といったものがサンクコストに当てはまります。
そして、サンクコスト効果とは、
- 「支払った費用を取り戻すまでは続けてやる!」といった、サンクコストが発生しているがために非合理的な判断をしてしまう
ことを指しています。
よく例えられるのは、
『映画のチケットを買って見始めたところ、10分で「この映画ダメだ」と感じた場合、そのまま映画を見続けるか?』
といった話で、
「つまらないけど、今後の展開に期待してこのまま見続ける」という判断は、『サンクコスト効果(チケット代を払ったから取り戻したい!)』に惑わされたといえ、それによって『2時間無駄な時間をすごす』という結果を招く危険性があります。
しかし、『サンクコスト効果』を振り払い、開始10分の時点で退席すれば、『2時間を他の有意義な時間に使うことができる』となります。
サンクコストは『取り戻せない』費用
繰り返しになりますが、サンクコストは『取り戻せない』費用です。
上記で挙げた、投資で発生した『手数料』や『労力』はそのまま投資を続けたところで返ってくるものではありません。
しかし、多くの投資家は「色々と調べて買った株だし、含み損もあるからこのまま保有しよう」という、まさに『サンクコスト効果』にやられた判断をしてしまいます。
考えるまでもありませんが、あなたが
- どれだけ時間をかけて調査したか
- どれだけの含み損をかかえているか
は、その銘柄の今後の株価の値動きにはまったく影響しません。
で、あるのにも関わらず『買った時点では魅力的に見えた株』を持ち続けるのは非合理的です。
「含み損で売るのは気分的にイヤなんじゃい!ほっといてくれ!」
と言われるかもしれませんが、『損切りしない』という判断は、『機会損失』も招いていることを忘れないようにしてください。
『損切りしない=損しない』ではない
損切りしない人の心理とし「評価損が出ていても、売らなければ損をしない。いつか買値に戻るはずだから、その時点で売ればイーブンだ」
と考えていることが多いと思います。
実際に、『まともな企業をまともな株価』で買ったのであれば、一時的に株価が下落したところで、いつかは買値にまで戻る可能性は高いです。
しかし、その『買値に戻るまで』の間、あなたの大切な資金は封じられていることになり、損切りすることで得られる『他の銘柄への投資機会』を失うことになります。
投資にとって『軍資金の多さ』は大きなウェイトを占めています。
『評価損が出ているから』という理由で軍資金の一部を封印してしまうのは、もったいないとしか言えません。
とはいえ、実際に自分が保有している銘柄はどうしても『過大評価』しがちなので、サンクコスト効果から逃れ『損切りするべき』という判断を下すことはなかなかできません。
というわけで、筆者(ひょしおんぬ)お勧めの方法を紹介させてもらいます。
サンクコスト効果から逃れるための方法
その方法は簡単で
- いま、手元にある現金でその銘柄を買うか?
という判断をするだけです。
『長いこと保有しているのにも関わらず、大したリターンを挙げられていない銘柄(例え評価益が出ていたとしても)』に対して上記判断をすると、
「買わねーな。ほかの銘柄買うわ。」
となります。
もし、そう思ったのであれば
さっさと売れ
というのが筆者(ひょしおんぬ)からのアドバイスです。
株式投資も物欲と同じで、買う直前が魅力度MAXとなります。
買った直後から魅力は落ち続けていくものの、サンクコスト効果によって『売れない』という呪縛に囚われることになります。
しかし、「また買う?」と問いかければ、案外カンタンにその呪縛から解放されることができます。
『昔買ったんだけど、何となく保有し続けている銘柄』がある方は、ぜひ一度お試しください。
まとめ:サンクコスト効果に縛られないようにしよう
ここまで記事にさせてもらった通り、サンクコスト効果に縛られていると合理的な判断が出来ません。
その結果、『機会損失』によって『別の銘柄に投資していれば得られたリターン』を逃すことになってしまいます。
自分自身で『サンクコスト効果に縛られている』と気付くことは難しいですが、「いま、現金があったら買うか?」という問いで呪縛から逃れられる可能性があります。
サンクコスト効果に縛られっぱなしでも、大して損をしないことは往々にありますが、「この銘柄に投資しているお金を、別の銘柄に投資したらどうなってんだろう?」と冷静に考えて見ることをお勧めします。
「自分は論理的に冷静に判断している」と考えていたところで、実際ほとんどの人間は感情で動いてしまっています。
その『感情で動いてしまう心理現象』を理解することは、投資でのリターンを大きくするヒントのひとつと言えそうです。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
------------
ツイッターでは記事の公開を通知したり、投資に関係する記事を取り上げたりしています。よろしければフォローをお願いします!
本記事が少しでも良かったと思って頂けたら、以下バナーを1日1回クリック頂けると嬉しいです。よろしくお願いします!
関連記事