最終更新日:2020/10/11
新型コロナウィルスによる暴落からの株価の変動を確認、比較していきます。
比較対象は、
- VT(全世界株式)
- VTI(全米株式)
- TOK(先進国株式)
- VWO(新興国株式)
- QQQ(米ハイテク大手株式)
- VYM(米高配当株式)
です。
今週はかなりの上昇を見せており、驚いています。
先週末には『トランプ大統領のコロナ感染』があり、米大統領選はよりバイデン氏有利に傾きつつあると言われています。
バイデン氏は『法人税増税(21%→28%)』をかかげているため、バイデン氏が大統領になることは(短期的には)アメリカ企業にとってマイナスの影響を及ぼす、と考えられますが、株価からはその雰囲気は感じられません。
一時期はコロナ暴落によって「セミリタイアが近づくぜ!」と喜んでいた筆者(ひょしおんぬ)ですが、そんなことは言ってられなくなってきました…。
参考記事:【重大発表】セミリタイア計画を変更します
さて、本記事の主題である新型コロナについても確認していくと、『全世界の新型コロナの新規感染者数』は、ここ1か月くらい”ほぼ横ばい(ちょい右肩上がり)”という傾向が続います。
※新型コロナ世界の新規感染者数の推移
提供元:Template:COVID-19 pandemic data - Wikipedia
『ほぼ横ばい』とはいえ、以下記事でも書いた通り、『新規感染者が毎日20万~30万人ていど発生』という、かなりの感染者を伴ったまま横ばい状態となっています。
このペースは、感染者数は1か月で750万人(愛知県の総人口と同じくらい)ほど増加し、1年間では9000万人を超すほどの驚異的な勢いであることを忘れてはいけません。
さて、このような状況の元、株価はどのように推移しているのか、実際の”数値”で確認していきたいと思います。
確認するのは、
- 日本で販売している投資信託(為替の影響も含んだ確認)
- アメリカで販売しているETF(ドル-円の為替を無視して確認)
の2つです。
<目次>
世界同時株安からの株価の変動を確認
さっそくですが、株価の変動を「世界全体の株価の指標であるMSCI-ACWIを基準とする日本の投資信託」の推移で確認してみたいと思います。
(世界平均の株価の推移と思ってください)
まずは過去10年、過去2年、過去32週の推移を記載します。
※2020年10月9日時点の228,939ポイントに合わせて赤点線を引いてあります。
9月は長らく下落基調が続いていましたが、先週から急激に回復してきました。
世の中を見渡すと、さほどポジティブなニュースがあったわけでもないので、少々心配になる上昇です。
なお、具体的な株価の変動率としては
- 先週末と比べて2.6%の上昇
- ピーク時(2/21)と比べて3.9%の下落
- 底値時(3/24)と比べて47.2%の上昇
となっています。
では次に、投資先地域毎の推移をETFで確認します。
VTI・VT・VWO・TOK・VYM・QQQの推移を比較
まずは、地域別の推移です。
※2020/2/3時点を100ポイントに統一しています。
どの地域もすごい勢いで伸びている!!
とビックリしてしまいました…。
具体的な結果を成績順に並べると、
- 108.0ポイント:アメリカ(VTI)
- 106.3ポイント:新興国(VWO)
- 104.8ポイント:全世界(VT)
- 103.8ポイント:先進国(TOK)
といった感じで、ほとんど同じような成績となっており、基準にしている2月3日時点の株価を『そこそこ超えてきた』といった感じです。
次に、アメリカ株の中でも種類別ETFの推移を見ていきます。
まず真っ先に目に付くのは、
- QQQ(NASDAQ100:米ハイテク大手)の圧倒的な成績
- VYM(米高配当)の残念な成績
ですが、現時点にフォーカスを当てると
- QQQは9月初旬よりも大きく値を下げている
- VYM、VTIは9月初旬の株価まで(ほぼ)回復している
という実績も目につきます。
この状況について『株式投資』や『株式投資の未来』で有名な、ジェレミー・シーゲル教授は、
「パンデミック相場で急騰していたハイテク銘柄は、多くのトレンド投資家を集めていた。ハイテク株暴落が、いつか起きることは分かっていた。これは健全な暴落だ。」
と言い、どちらかというと『良い暴落(過剰な暴騰を避けた)』と捉えています。
今回の暴落によって
- 「ハイテク株はもう終わりじゃ!」と配当銘柄の人気が高まる
- 「大きく値を下げて適正な株価になった!」と再びハイテク株に人気が集まる
など、どのようになるか注視していく必要がありそうです。
今後の株価について
今後のイベントとしては、とにかく『米大統領選挙』につきます。
トランプ氏・バイデン氏の政策は『真逆』と言ってもいいくらい違っているので、恩恵を受けるセクター、被害を被るセクターが全く違います。
参考記事:【先取り】バイデン氏が米大統領になる前に買うべき株
いまだ、どちらが有利とはハッキリと言えない状況にありますので、大統領選の状況には注視していく必要がありそうです。
また、新型コロナの『新規感染者数の増加』は、いったん落ち着きつつあります。
が、”増加”が落ち着きつつあるだけで、大量の新規感染者を出し続けていることに変わりはありません。
よって、これからしばらくの間は、『新型コロナが経済へダメージを与え続けるターン』が続くことが予想されます。
しかし、新型コロナのワクチン・治療薬の開発への期待が高まっていることもあり、株価は順調に上げ続けています。
とはいえ、「やっぱりワクチン・治療薬は、簡単にはできないわー」となる可能性も十分に考えられ、その場合は『ふたたび株価の暴落』が発生する危険性もあるわけです。
というわけで、個人投資家がやらねければならないことは、
- 「出遅れないように今のうちに買おう!」と買い急ぐ
- 「2番底の前に逃げ切ろう!」と売りに走る
といったことをせず、冷静に市場を見つめながら自分の投資ルールに忠実に従うことしかありません。
とはいえ、以下グラフの通り、広い目線で見れば世界の株価は100年以上にわたり上昇を続けているのも事実です。
つまり、今後暴落が発生しようとも、しなかろうとも
- 大きくとらえれば”今”が最も安く株を購入できるチャンス
と言えるわけです。
というわけで、本ブログの筆者ひょしおんぬは、
- 生活防衛費を残した余剰資金の全てを投資する
というスタイルを今後も継続していき、将来のリターンに期待したいと思います。
関連記事:積立インデックス投資にナンピン買いは不要【資産を最大化するためのヒント】
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