最終更新日:2020/9/28
9月に入ってから多少は下落したものの、まだまだ絶好調な米ハイテク株ですが、【米国株動向】現在のハイテク・バブルが弾けると考えられる6つの理由という記事があったので、考察していきたいと思います。
米ハイテク株への今後の投資方針を決めるうえで約に立てば幸いです。
<目次>
ハイテク株バブルが弾けると考えられる6つの理由について
元記事では以下6の理由を挙げています。
- パンデミックが前倒しした売上高は持続可能ではない可能性がある
- GDPは縮小している
- 多くの企業が最終的に事業継続を諦める
- ハイテク株のバリュエーションは制御不能となっている
- 金融緩和はやがて終了する
- ハイテク・バブルは過去に弾けたことがある
新型コロナによるパンデミックを追い風にして、急激に利益を伸ばしたハイテク企業は多くありますが、「それが今後も続くのか?」というのが主な疑問です。
あなたは来年になっても、
- 友人とズームで語り合い
- 料理宅配サービスを利用し
- 自宅でトレーニングをする
生活を続けているのでしょうか?
では、一つずつ見ていきましょう。
パンデミックが前倒しした売上高は持続可能ではない可能性がある
元記事では
パンデミックは、オンラインショッピングやリモートワークを増加させるなど、一部のハイテクの採用を加速したと考えられます。
しかし、そうした成長の一部は持続可能ではない可能性があります。
と言っています。
パンデミックによって、ズームやAmazonなどのハイテク企業の業績が上昇しましたが、新型コロナの鎮静化後も同じような売り上げをキープすることは難しいかもしれません。
もちろん、パンデミックがきっかけで『ハイテクを活用することで生活が楽になる』ことが強く認知され、鎮静化後も使われ続けると技術・製品もありますが、不要となる技術・製品もあります。
そこを見極め『パンデミック鎮静化後も生き残る企業』に投資することが、バブル崩壊によるダメージを軽減する方法と言えそうです。
GDPは縮小している
元記事では、
ハイテク株の急上昇にもかかわらず、経済のファンダメンタルズは特に良いわけではないことを忘れないようにしましょう。
財政刺激による給付金と追加的な失業給付は、企業や労働者の大きな痛みに対する応急処置となっています。
と言い、『株価は上昇しているが、景気は悪いぞ』と強調しています。
これは分かり切ったことではありますが、『パンデミックによる倒産・失業』が数多く発生しており、間違いなくリセッション期(景気後退期)に入っています。
(6月初めには、全米経済研究所(NBER)もリセッション入りを宣言しています)
であるのにも関わらず、(特にハイテク株の)株価は上昇を続け、過去最高値を更新している指数も多く存在します。
関連記事:【新型コロナウィルス】世界同時株安からの株価の変動を確認
今後、景気刺激策の規模が縮小していくなかで、現在の株高を維持できるかどうかには疑問が残ります。
多くの企業が最終的に事業継続を諦める
元記事では、
企業に関して言うと、多くの中小企業が過去6ヵ月間の需要の減少に苦しめられています。
レストランが最も影響を受けているのは明らかですが、歯科医、サロン、写真家、イベントセンターなど、多くの人にとって厳しい年となっており、多くの企業が最終的に事業の継続を諦めることになるでしょう。
…
中小企業が健全でなければ健全な経済を維持するのは困難です。
と、予想しています。
体力に余裕のある大企業であれば、パンデミックよって倒産するような事態は避けられますが、多くの中小企業はそうではありません。
今の状況(外出の制限や自粛)が長く続けば続くほど、中小企業の多くはピンチに陥っていくことは間違いありません。
そして、中小企業の倒産は、関連企業・銀行などにも大きく影響を及ぼし、世界経済全体へダメージを与えることは間違いありません。
このダメージからはハイテク銘柄であっても逃れられません。
ハイテク株のバリュエーションは制御不能となっている
元記事では
現在の株価には、ハイテク企業の今後の急成長が織り込まれています。
しかし、前述したように、成長は持続可能ではない可能性があると筆者は考えています。
ハイテク企業の業績が少しでも予想を下回れば、打撃は大きなものになるかもしれません。
と警告しています。
昨今のハイテク株の株価は、『将来の急増収・急増益を織り込んでいる』としないと、説明がつかないほどの高値です。
しかし、ここまで書いてきた通り、今後も順風満帆に行くとは考えづらい状況にあります。
例えハイテク株が、今後も増収・増益を続けたとしても、多くの投資家が
「予想していた程の増収・増益ではないな」
と判断を下した時が、ハイテク株のバブルが終わりを迎える時かもしれません。
金融緩和はやがて終了する
多くの投資家が考えている通り、現在の株高は『企業の実力』だけでなく、米連邦準備制度理事局(FRB)による大規模な金融緩和によるものが大きいです。
しかし、この金融緩和はいつか必ず終わりを迎えます。
元記事では、
パンデミックに対するFRBの反応は正しかったかもしれませんが、インフレをもたらすことなく永遠に資金を供給し続けることはできません。
FRBが金融緩和をやめたとき、めったに見られないような相場の崩壊が起こる可能性があります。
と、危機感を強めています。
いつ必ず迎える金融緩和の終わりが、スムーズに行えるかどうかが、ハイテク株の株価の将来を左右しそうです。
ハイテク・バブルは過去に弾けたことがある
元記事では、
ハイテク株をめぐる陶酔感は1990年代にも存在しました。
当時、利益や株価売上高倍率はあまり問題にされず、投資家はハイテク銘柄なら何でも買おうとしました。
今年は特別目的買収会社(SPAC)がハイテク関連銘柄を買い占めていることもあり、1990年台と同様の陶酔感が見られるかもしれません。
今回のバブルは1990年台のものとは大きく異なります。
多くのハイテク企業が収益を生み、その一部では損益が黒字化しているからです。
と言い、過去のハイテク株バブル(ITバブル)と今のバブルを比較しています。
これは…
うん。あまり気にしなくていいですねw
元記事にも書いてありますが、今回のバブルと2000年前後であったITバブルとでは、状況が全く違うため参考になりません。
なお、ITバブルの時はNASDAQが以下グラフの通り『異常』と言わざるを得ない推移をしていました…。
1996年~2000年の4年で5倍です。恐ろしい…。
まとめ:ハイテク株バブルと言いたくなる状況になりつつある
ここまで記事にさせてもらった通り、『ハイテク株バブルが発生している』と言える材料がそろいつつあります。
歴史を振り返れば、
- 急騰した株価が暴落する(いわゆるバブル)
は繰り返し起きており、そのバブルは『多くの人が崩壊するまで「これが正常な株価だ」と信じ切っていた』がために発生しています。
とはいえ、これから暴落する保証があるわけではありません。
個人投資家は根拠なくハイテク株に全力投入することなく、冷静に行動していく必要がありそうです。
なお、『投資目線』ではなく『ギャンブル目線』で見ると、楽しい時代なのかもしれません。
というのも、今回のバブルが2000年ごろにあったITバブルと同様に動くと想像すると、現在は1997年頃の状況と言えそうで、これから3年に渡って株価が3倍にもなる、と期待できるからです。
もちろん、そんな保証は一切ありませんが、そういったワクワクを想像しながら投資するのも面白いかもしれませんね(少額でね)
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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