最終更新日:2020/9/9
「なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?-21世紀のつながり資本論 著:渡邉 賢太郎」を読みました。
タイトルから察するに、
「これを読めばお金持ちになれるのか!?」
と、勝手に想像していましたが、これを読んでも
- お金の増やし方が学べるわけではない
- 資産運用に役立つ知識が付くわけでも無い
- 節税のテクニックが学べるわけでもない
というわけで、『お金持ちになる方法』は、全く書いていませんでした。
が、面白い!!
ずっと「へー」「へー」「へー」と言い続けてしまうほど、お金に関する豆知識が各所に書かれており、シンプルに面白い!
久しぶりに一気に最後まで読んでしまいました。
というわけで、本記事では『なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?』の一部を要約してお伝していきたいと思います。
<目次>
- 日本人のお金に対する感覚について(8割が「汚い」)
- 『定価』の出現によって、考える能力が失われた
- お金が生まれたことで、好きなことを仕事にできるようになった、はずなのに…
- まとめ:なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?で色々考えることに
日本人のお金に対する感覚について(8割が「汚い」)
「日本人は”お金儲け”や投資”や投資に対して”汚い”と思っている人が多くいる」という話はよく聞くと思いますが、「”多く”ってどれくらいよ?」と思っていましたが、本書では、(サンプル数が少ないとはいえ)具体的な数値が載せられていました。
ある投資教育を実践している教師が全国の中学校や高校をまわるたびに「お金ってきれいなものですか?それとも汚いものですか?」と質問をすると、約500人の生徒のうち8割弱が「汚い」と答えたそうです。
(『日本経済新聞』電子版2013年2月8日付)
8割て…。
『中高生のお金に関する考え』のほとんどは、『親から学んだ考え』であることを考えると、2013年時点で40~50代くらいの人の多くは、同じように「お金は汚い」と考えていると想像できます。
正直な感想としては「そりゃー、日本が豊かにならんわけだわ」と思ってしまいます。
現状はそうとはいえ、(こういった結果からも危機感を覚えたのか)2022年からは高校家庭科で金融教育が開始される予定となっているので、これからに期待したいものです。
関連記事:【歓喜】2022年から高校家庭科で「金融教育」の指導が開始
続いて、日本は当たり前のようにある『定価』の弊害についてです。
これも( ゚д゚)ハッ!とさせられる話です。
『定価』の出現によって、考える能力が失われた
著者は、諸外国での旅の中で以下のように気付いたそうです。
道中の値段交渉を通して、ふと沸いた疑問があります。それは、私たち日本時は圧倒的に値段交渉に慣れていないのではないか、ということです。なぜか?それは「定価」という流通をスムーズにするためのサービスに、あまりにも慣れすぎているからです。普通に生活の中で、私たちが値段交渉をすることはほとんどありません。コンビニでも電器店でも、たいていは値札に書いてある通りの価格で購入しています。その一方えd、値段のない鮨店に入ることはかなり勇気がいる行為だとみなさんも感じておられるでしょう。
値札があることで、私たちは知らず知らずのうちに、モノの価値を自らの目で見極め、交渉する力を失ってきたのではないでしょうか。
確かに、普段から「『モノの価値』を見極める能力が低い人がいるなぁ…」と思うことが多くあるので、この主張には完全に合意きます。
例えば、
『化粧水や香水の中身は変えずに値段だけを上げたら販売数が増えた』
といった、よく聞く話なんかも、まさに『モノの価値を見極める能力の低さ』からこそ生まれる現象で、モノの本質を見極めようとせず
- 値段=価値
だと思い込んでしまっているからこそ
- 値段の高いモノ=高い価値のあるモノ
と誤った考えのもと、無駄に高いお金を払ってしまうわけです。
この『モノの価値を見極める能力の低さ』によって、間違いなく余計な出費をしていると言えそうなので、お金持ちになるためには、『モノの価値を見極める能力』を鍛える必要がありそうです。
なお、今では当たり前に使われている『定価』ですが、それを生み出したのは『越後屋』だと言われています。
『定価を生み出したことによって消費者の能力が低下するようコントロールし、価値に見合わない値段の商品が売れるようにした』と考えると、まさに
「越後屋、おぬしも悪よのう。ぐふふふ。」
ということになりますね。
(ただの妄想ですがw)
お金が生まれたことで、好きなことを仕事にできるようになった、はずなのに…
本書では、
実は、人間はお金を開発して初めて、好きなことを仕事にする自由を手に入れたのです。
たとえば、本を書くことが好きな人がいるとします。本を書いているだけでは生活に必要な食料を得られないので、お金という概念がなかった時代は、一日のうち何割かは、どうしても食料などの生活に必要なモノをつくる時間にあてなければなりませんでした。あるいは、それができなければ社会の役立たずとなり、生きていくこともままならなかったのです。
と解説しています。
これは『いやいや仕事しているサラリーマン』に突き刺さる言葉ではないでしょうか?
昔は生きていくためには、自給自足に近い生活が必須だったわけですが、お金が普及した今は、
- 自分の好きな手段でお金を稼げば生きていける時代
となったわけです。
で、あるのにも関わらず『自分の好きな手段でお金を稼いでいる人』はどれ程いるのでしょうか?
よくよく考えてみると
- (ほとんどのケースで)今の仕事を選んだのは自分なわけですし、
- 今の仕事以外にもお金を稼ぐ手段は無限(と言えるほど)にあるわけですし、
- 仕事がイヤなら自給自足という旧来の生活を選んでもいいわけですし、
ということで、ある意味で「今の仕事は好きで選んだはず」と言えそうなものなのに、現実は「仕事が好きじゃない」という人がほとんどだと感じます。
それは、一般的に『仕事は辛いものだ』『苦労せずにお金が稼げるはずがない』と言われ続けて洗脳されているからなのか、
それとも、苦労してでも人並の生活を送りたいからなのか、
非常に難しいところではあります…。
関連記事:『人並な生活』は『人並な仕事の苦痛』とトレードオフ
まとめ:なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?で色々考えることに
ここまで記事にさせてもらった通り、『なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?』では、色々と考えさせられる内容や、雑学的知識が多く書かれています。
この記事で紹介した内容以外にも
- アメリカが世界の覇権国となった経緯
- お金は時間を手に入れるパワー
- 『お金がない国の方が幸せに暮らしている』わけではない
- バブルは投資によって種ができ、投機によって開花する
- 『お金で信頼を買う時代』から『信頼がお金になる時代』になる
などなど、非常に勉強になる内容が満載です。
ちなみに、ですが…
おそらく筆者は
「お金に関する理解を深め、『お金という道具』に振り回されない豊かな人生を歩めるようになって欲しい」
との思いで、この本を書いたのでしょうが、
ひょしおんぬには『お金の豆知識本』としてヒットしてしまいましたw
筆者には申し訳ないですが、面白かったのは確かなので許してくださいw
というわけで、『なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?』は、”雑学”的なものが好きな投資家(じゃなくてもいいか)にはお勧めの一冊でした。
(投資に役立てよう!と思って手を出す本ではございません)
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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