最終更新日:2020/5/19
「暴落に強い」と言われる高配当・増配当銘柄への投資について、新型コロナウィルスでの暴落の推移を使用して検証してみます。
比較対象は全て米バンガード社のETFで、
- VTI(米国株式全体ETF) :配当利回り1.9程度
- VYM(米国高配当株式ETF) :配当利回り3.6%程度
- VIG(米国増配株式ETF) :配当利回り1.9程度
の3つとします。
先に結論を書いてしまうと「増配当株式は比較的暴落に強い」と言えそうです。
では、比較した結果を確認していきましょう。
<目次>
【ETF比較】高配当・増配当銘柄は暴落に強いのか?【VTI・VYM・VIG】
さっそくですが、新型コロナウィルスによる暴落時の推移を比較したグラフを載せます。
※2月3日時点を100ポイントに統一しています。
※短期間の比較であるため、配当金は含んでいません。
予想していた以上に明暗がはっきりとしました。
5月15日時点で、以下の通りとなりました。
- VIG : 87.9ポイント
- VTI : 87.6ポイント
- VYM: 81.8ポイント
最も配当利回りの高い「緑線:VYM(米国高配当株式ETF)」が、
- 最もダメージが大きい:底値(3月23日)時点
- 最も回復が遅い
と、予想外の結果です。
逆に最も成績が良かったのは「赤線:VIG(米国増配株式ETF)」で、
- 最もダメージが少ない
- 回復ペースはVTI(米国株式全体ETF)よりも遅い
となっています。
この結果だけ見ると、
- 高配当銘柄は暴落時に弱い
- 増配当銘柄は暴落時に強い
となります。
各ETFの今後の値動きを予想(移動平均線)
各ETFのトレンドを分かりやすく確認する為に、各ETFの推移を「3週間の移動平均線」にしたグラフを掲載します。
結果は見ての通りですが、
- VTI(米国株式全体ETF) :上昇トレンド
- VYM(米国高配当株式ETF) :下降トレンド
- VIG(米国増配株式ETF) :横ばい
となっています。
増配当銘柄や高配当銘柄は「ある程度事業が安定している企業」が多く含まれています。
逆に言うと「成長過程の(企業が出した利益を「配当」ではなく「事業に再投資」している)企業」はあまり含まれていません。
すなわち「成長過程の企業は、暴落によるダメージは大きいが回復も早い」と言えます。
よって、
- このまま上昇トレンドが続くのであれば、VTI(全体)が最善
- 再び暴落が始まるのであれば、VIG(増配当)が最善
となります。
まとめ:「増配当銘柄」は暴落に強いが「高配当銘柄」は暴落に弱い
ここまでまとめさせてもらった通り、「増配当銘柄」は暴落に強いが、「高配当銘柄」は暴落に弱い、という結論になりました。
検証するまでは
- 「増配当銘柄」も「高配当銘柄」も、同じ値動きで暴落に強い
と言うイメージを持っていたので、個人的には驚きの結果となりました。
ただし、これは新型コロナウィルスによる暴落時のみを対象としているので、今後も同様の結果になるという保証はありません。
今回の検証結果は、あくまで「参考」程度にとどめておき、今後も冷静に株式市場の動きを見ていきたいと思います。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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