最終更新日:2020/4/16
現金も含めて、単一の資産ではノーリスクな投資は存在しません。
しかし、各種資産を組み合わせればノーリスクな投資も可能となる可能性はあります。
今回はどのようにすれば、ノーリスクな投資家可能なのか検討してみます。
本記事を読んで頂ければ、「とにかくリスクを回避したい!けど増やしたい!」という人にとって適した方法が見つかるのではないかと期待しています。
また、昨今では新型コロナウィルスによる暴落も発生していますので、それによって資産がどう推移したのかも確認してみたいと思います。
<目次>
- ノーリスクな投資について検討してみる
- (ノーリスクとは言えないが)低リスクの投資方法をひとつ紹介
- お金を生み出す資産「株」「債権」「不動産」
- お金を生み出さない「現金」「金」「仮想通貨」(でもノーリスクではない)
- これらをバランスよく組み合わせてノーリスクに近い投資が実現可能。
- 補足:日本年金機構の真似でもノーリスクに近い投資が可能
ノーリスクな投資について検討してみる
世の中にはリスクのない金融資産(現金含む)はありません。
しかし、値動きの違う様々な金融資産に分散投資することで、極限までリスクを減らせそうです。
まずは、代表的な金融資産を以下に列挙します。
- 株式(ハイリスク・ハイリターン)
- 不動産(ミドルリスク・ミドルリターン)
- 債権(ローリスク・ローリターン)
- 金(ローリスク・ローリターン)
- 現金(ローリスク・ローリターン)
- 仮想通貨(不明)
これら金融資産それぞれの特徴を理解し、適切に長期分散投資することでノーリスクに近い投資を実現することが可能となりそうです。
それぞれの特徴を整理し、最適な組み合わせを検討します。
(ノーリスクとは言えないが)低リスクの投資方法をひとつ紹介
検討していく前に「面倒なことはいいからざっくり低リスクな投資を教えれ」という人向けに、適当な回答をしておきます。
全保有資産の割合を
- 50%:ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)(投資信託)
- 25%:現金
- 25%:金(ゴールド)
くらいにしておけば、それなりにリスクを抑えられます。
(金(ゴールド)価格の推移は後ほど紹介します)
金(ゴールド)に「何か抵抗あるわー」という人(ひょしおんぬがそうです)や「もっとシンプルにしたい」と
いうのであれば、
- 50%:ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)(投資信託)
- 50%:現金
でも十分です。
では、改めて各種資産の特徴を振り返っていきます。
お金を生み出す資産「株」「債権」「不動産」
まずは「お金を生み出す資産」についてです。
これらは、お金や資産を必要としている企業や人に貸し出すことで、見返りとして配当金や賃料等を受け取れます。
ただし、代わりに「倒産によって大損失」や「資産価値の暴落」といった大きなリスクも持っています。
「株」はハイリスク・ハイリターン
投資家にとって最も定番で、最も利益を提供してきた投資資産が株で、あの有名なキング・シンバ氏も「株は王様だ。敵はいない。」と歌っていた通り、投資の王道です。
世界分散投資をすることで、長期的には年利5%程度ののリターンが期待できます。
とはいえ、リーマンショック時には50%の下落を記録していますし、大恐慌(1929-)では最大90%の大暴落を記録し、元値に戻すまで25年も要しており「ハイリスク」な資産でもあります。
現代では大恐慌のように、長期に渡った不況が続く可能性は低いと考えられますが、
「考えられない=起きない」ではありません。
なお、新型コロナウィルスのよる影響は以下グラフの通りで、最大で30%超の下落をしています。
※2月21日時点の基準価格を100%とした場合の推移
「不動産(REIT)」はミドルリスク・ミドルリターン
分散した不動産投資は、ぼちぼちのリスクでぼちぼちのリターンが得られます。
一般的には「ミドルリスク・ミドルリターン」と言われますが、新型コロナウィルスよる影響をみる限り株式よりも大きい下落を記録しています(最大で45%の下落)
注意しないといけないのは「不動産投資」とはいえ、「直接マンションや土地を買う」といった集中不動産投資は”超ハイリスク”です。
買った不動産の人気がなくなれば一発で終了です。
「債権」はローリスク・ローリターン
国債に代表される債権は最も安全な資産のひとつです。
また、景気悪化が予想されると、
- 株を売る
- 株を売って得た資金で債権を買う
という流れが発生するのは定番です。
よって、株と組み合わせて保有しておくことで、株価低迷によるダメージを和らげる効果もあります。
とはいえ、リーマンショック時には、株価低迷と同時に債権の価値も下がりましたので、絶対安心ではありません。
(株価50%の下落に対して20%程度の下落&すぐに上昇に転じた ことから株より断然安定していました)
新型コロナウィルスによる推移も以下の通りで、「株価下落時に債券は上昇」とはいきませんでしたが、安定した推移をしています。
※2月21日時点の基準価格を100%とした場合の推移
お金を生み出さない「現金」「金」「仮想通貨」(でもノーリスクではない)
次に「お金を生み出さない資産」についてです。
「現金」「金」「仮想通貨」は価値そのものが上下することはあっても、新たにお金を生み出すことはありません。
(「株主の利益の為に会社(員)が働いてくれる」ような付加価値がない)
「現金」は超ローリスク・超ローリターン
最も「無難な資産」と認識されているのが現金です。
単体で「ノーリスク」に最も近い資産ですが、リターンもほぼありません。
とはいえ、現金も立派な金融資産のひとつで、もちろんリスクとリターンがあります。
銀行預金をしておくことで「利息」という形で多少のリターンが得られます。
とはいえ、現金はしょせん「現金を発行している国の信頼があるから使用できるもの」である為、信頼を失った国の現金は紙くずとなります。
よって、多額の現金を保有するのであれば日本円に集中するのではなく、各国の現金を保有しておくことでリスク分散となります。
また、現金はインフレによって価値が現状していく資産なので、世界的にインフレが進んでいくことを考えると、多くのケースでは「ローリスク・マイナスリターンな資産」となります。
ちなみに現在の日本円もローリスク・マイナスリターンです。
「金(ゴールド)」はお金に対する不安があると価値が上昇する
「金(ゴールド)」は、経済に不安の影が広がると、価値の上昇する資産です。
リーマンショック時には、いったん下落するも、その他資産よりも急速に回復、過去最高値を更新していました。
※赤丸がリーマンショック時です。
なお、新型コロナウィルスによる影響は以下の通りで、一時的に15%程度の下落をしてはいますが、株やREITよりも急速に回復しています。
また、グラフには反映できていませんが、4/13に金(ゴールド)の価格は高騰し、過去最高値を更新しました。
このことから「経済リスクの高い時には金にお金が集まる」と言えます。
とはいえ、金本位制は1971年に終わっており、いつまでも金が安心という保証はありません。
仮想通貨は不明
誕生してからの歴史が短く”実用性も未だ低い仮想通貨”の保有は「ハイリスク」と言わざるを得ません。
とはいえ、昨今では現金による支払いが減少しつつありますので、仮想通貨が将来には標準的資産となる可能性も否定できないので、少しばかり保有しておくことで”リスク分散になる”かもしれません。
が、新型コロナウィルスによる株価暴落時には、いったん上昇はしたものの、直ぐ暴落に転じていることから、「リスク分散とはなり辛い」というのが今の感想です。
これらをバランスよく組み合わせてノーリスクに近い投資が実現可能。
というわけで、ここまで紹介してきた資産を組み合わせることでリスクを大きく減らすことが可能です。
まずは、各資産の推移を並べてみます。
新型コロナウィルスによる影響が小さかった順に並べると
- 債券 : 最大5%の下落
- 金(ゴールド) : 最大14%の下落
- 株式 : 最大35%の下落
- REIT : 最大45%の下落
となります。
「過去、投資家に最もリターンをもたらしてきた株式」を基準に考えると、「株価に似た動きながら、株価以上の下落をしたREITは不要」となります。
というわけで、残り3資産の現金を加えて、
- 現金:25%
- 株式:25%
- 債券:25%
- 金(ゴールド):25%
の資産構成で分散投資した場合、新型コロナウィルス時の資産の推移は以下のようになります。
これでも年間2~3%程度のリターンは期待できますが、かなり安定した推移となります。
なお、株価比率を上げれば期待リターンとリスクが上昇し、現金比率を上げれば期待リターンとリスクが減少します。
上記グラフを見て、
「”ノーリスク”とか言いながら下げてんじゃねーか!」と思いますか??
…
それは許してぇ!!
「今回のような大暴落でも資産価値を下げずに済む投資はない」とご理解ください。
また、現金100%であれば株の暴落等の影響を直接受けることはありませんので、それを選ぶ手もあります。
ただし、生涯マイナスリターンを継続することになりますが…。
補足:日本年金機構の真似でもノーリスクに近い投資が可能
日本で暮らす人にとって、日本年金機構の投資比率を丸コピーというのは正解の一つだと言えます。
日本人の多くは「年金」と聞くとマイナスイメージを抱くかもしれませんが、以下記事の通り実際には大きな成果をあげています。
メディアは、年金機構の短期的な損失を取り上げ「また年金が減った!」と騒ぎ立てますが、長期目線で見ると大幅に資産を増やし続けています。
そんな立場にあるため、年金機構は「無難な投資」を選択せざるを得ず、リスクを避けたい日本の投資家にとってお手本となるような資産配分をしています。
なお、本記事の内容は全てひょしおんぬの個人的見解であり、ノーリスクの投資を保証するものではありません。
投資は自己判断でお願い致します。
本記事の内容が、本ブログの賢明なる読者達に届けば幸いです。
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それではまた